会社に入社してから新人研修をはじめ、会議や研修会など会社経費でセミナーに参加したりすると報告書を作成して上司や会社に提出しますが、報告書には何を書いたら良いのか、どんなことを書いたらいいのか分からないこと多いと思います。特に新人研修についての報告書を作成しないといけませんが、この報告書を書くだけでも何時間も掛かる人がいます。
そこで今回は、ビジネスにおける社会人の報告書の書き方と例文についてまとめました。
目次
報告書の書類の構成
基本的な報告書の構成について画像と一緒にまとめます。
・文書番号
フォーマットやテンプレートが統一されているときには、文書番号や文書記号を付けて文書を分類し、書類保存や整理がしやすいようにします。文書番号を付番していないこともあります。
・日付
作成日や報告日を明確にするために日付を記入します。
・宛名(受信者)
誰宛に提出するものなのかを明確にするために書きます。
・差出人
差出人は基本的に文書作成者が責任を持つべきものなので、作成者の氏名を書きます。ただし、提出先(宛名)が役員や社長などのときは、課長や部長などの氏名も連名で書いて提出することもあります。これは、それだけ重要な内容であり、課または部として報告するときに連名を使います。
・標題
一目で内容が分かるようなタイトルにします。文字の大きさは他の文字サイズよりも大きめにします。
・本文
決まり文句で「標題の件につき、下記の通り、ご報告致します。」という定型文を使います。
・記書き
中央揃えで「記」を記入し、以下に必要事項や重要事項を記すという意味があり、最後に「以上」で締めます。
・内容要旨
報告内容を簡潔にまとめた概要を簡潔に書きます。50~100文字程度でどのような内容の報告なのか分かるようにします。
・見出し、小見出し、説明文
報告内容を分かりやすく箇条書きにするために見出しを作り、内容が分かるように説明を書きます。
・所見
自分の意見や業務への適用・応用についてや、今後の活動内容などを200文字程度でまとめて書きます。
・添付資料
資料の配布物があったら、その資料名と総ページ数を書きます。また、別紙を作成した場合にも、ここに資料名と枚数を記入します。
良い報告書はどうしたら書けるのか
5W2Hで書く
一般的な文章を書くときは「5W1H」が基本ですが、ビジネスでは「5W2H」を使って報告書を書きます。つまり、会社の費用を使って行なう研修やセミナー・講習会などに参加するのは、会社にとってメリットがあるからです。その経験が今後の会社の利益になる可能性があるからです。そのため、経費・予算・価格・料金についてのコスト面の要素は必要不可欠です。
【5W2Hの内容】
When・・・「いつ」日付や時間など
Where・・・「どこで」場所や住所など
Who・・・「誰が」主語を明確にする
Why・・・「なぜ」原因や理由を説明する
What・・・「何を」テーマを簡潔に要領よくまとめる
How・・・「どのように」結論までの過程を説明する
How much・・・「いくら」コストを明記する
読む人の立場を意識して書く
報告書を書くときに意識しないといけないことは「読む人に作成者の意図が正しく伝わること」です。読む人が係長でも課長でも社長でも同じことです。報告書を提出する人が、報告書に関する内容をどの程度、知識を持っていて理解しているのかを知っておく必要があります。読む人の理解が出来ないような内容の報告書にすると意図が分かりません。そのため、報告書内容は提出する人によって異なります。
また、言葉や表現にも注意しないといけません。難しい言葉や専門用語を使って理解できないような文章ではいけません。
理解しやすくて、読んだ人がどんな行動をすればよいのか明確になっているような書き方がいいです。
簡潔で分かりやすい表現で書く
ビジネス文書として報告書を書くときには簡潔にまとめる必要があります。作成するときの表現のポイントが4つあります。
1.箇条書きにする
2.1文章・1テーマにする
3.文章は分割して短くする
4.主語と述語だけにする
報告書を作成するときのポイント
報告書はA4用紙1枚
社内文書を作成するとき統一書式が決まっているようなら、それに従います。基本的にはA4用紙1枚に収まるように書きます。長い文章を書いても読みにくいし、伝えたいことが分かりにくくなります。
補足が必要なときには、別紙などを使って添付資料として付けます。
文章を書くときの注意点
文章を書くときには、統一したりして読みやすい内容にする必要があります。
・数字は基本として算用数字を使います。(例:100人、1,500円など)
・「ですます調」と「である調」を混在させません。
・助詞の重複を避けることで読みやすくします。
・句読点をしっかりと使う。文章の末尾には句点(。)を使い、読みやすいように読点(、)を使います。
原則は横書き
日本語の文章は縦書きが基本ですが、ビジネス文書は横書きが基本です。
視覚的にも合理的なことから横書きで書きます。
報告書を書き終えたら内容をもう一度読み直す
一通り報告書を作成したら、内容をもう一度見返します。内容が分かりやすいか、表現が曖昧ではないかなど確認します。
また、報告書を提出したときに、その場で質問されることがありますので、どんな質問がきそうかなど想定して、回答を準備しておくといいです。
報告書の見栄えを整える
段落の数字の位置がきちんと合っているか、句読点が記入されているか、行間や余白のバランスが良いか、など揃っている部分は揃えて、報告書全体のバランスを整えます。
報告書の具体的な書き方を例文と一緒に紹介
【標題】
何の報告に関する書類なのかが分かるような標題にするため、文字数は20文字以内にするといいです。
×:新人研修の件
◯:会社組織のルールを学ぶための「新人研修」に参加した件
標題は、「◯◯出張」とだけかくのではなく、具体的な内容を含めて書くと報告者に分かりやすくなります。
【本文】
定型文として「標題の件につき、下記の通り、ご報告致します。」と書きます。
【記書き】
「記」は中央揃えにして、最後に「以上」を書いて締めます。
【状況説明】
箇条書きで項目を分けて書きます。
1.件名:会社組織のルールについて(新人研修)
2.日時:2017年7月28日
3.場所:駅前ビル10階 研修センター
4.主催者:総務部
5.目的:会社で働く上で必要なルールを学ぶ
【概要】
概要は、重要な項目だけに絞って書くようにします。3つくらい書きますが、提出する人が内容を理解できるように書きます。目次とは違います。
(1)名刺交換
(2)電話対応
(3)ビジネスの基本マナー
できれば、この概要の中には「何をして、どうなったのか」「理由」「課題・予定」を書き入れると、さらに良い概要になります。
【内容】
概要の内容を受けて、詳細な内容を見出しを付けて書いていきます。
「見出し」⇒「小見出し」⇒「説明」と書いていきますが、小見出しを無くした形にしても構いません。
【所見】
自分の意見を書く欄です。参加した研修やセミナーなどで感じたことや業務への応用などについて書きます。
事実に基づいたことを報告するようにします。
【添付資料】
添付資料があれば、資料名と総ページ数を書きます。また、補足資料を自分で作成したときにも、この添付資料に書いて一緒に添付して提出します。
完成版の報告書はこちら
編集後記
報告書は、会社に入社してから退職するまで色々な場面で書くことがあります。ビジネスマンとしてはじめて書くのが新人研修のときの報告書だと思います。私のときは、報告書の書き方なんで誰も教えてくれませんでした。感想文みたいな感じで提出したら、報告書になっていないからやり直して再提出の繰り返し。
会社で働くときにはビジネスマンとしての基本的な知識だけは頭に入れておかないと、いけなかったと実感しました。
報告書の書き方が分からないときや、どのように報告書をまとめたら良いのか参考になればと思います。